貯蓄を順調に増やしている人、いわゆる「貯め上手さん」には、お金の管理に直接関係ないように見える行動や、日々の生活における計画的な習慣に共通点があります。お金は急には貯まりませんが、先取り貯蓄や積み立て投資といった直接的な方法に加え、一見お金とは無関係な日々のルーティンがお金を貯めることにつながっています。お金が貯まる習慣を身につけることは、特別なスキルや高収入がなくても可能であり、無理なく貯蓄を増やしていくための土台となります。
確実にお金を増やすための「管理と計画」の習慣
お金を貯めるためには、まず自身の経済状況を「見える化」し、計画的に支出をコントロールする仕組みを確立することが不可欠です。
先取り貯蓄で自動的に貯まる仕組みを作る
お金が貯まる人は、収入から生活費や娯楽費などを使った余りを貯金に回そうと考えていてはいつまでも貯まらないことを知っています。そのため、給料が入ったらすぐに一定額を自動的に貯金する「先取り貯蓄」を強制的にお金が貯まる仕組みとして取り入れています。
この方法は、「まず貯める」という意識によって、残ったお金で生活する習慣を作り出し、無理な節約をしなくても自然と貯まります。勤務先に財形貯蓄制度があれば利用したり、銀行の自動積立定期預金や定額自動入金サービスを活用したりする方法があります。強制的にお金を貯める環境を作ることで、毎月確実にお金が増え、モチベーションの低下も起こりにくいでしょう。
収入と支出を把握し、家計を見える化する
貯め上手な人は、自分のお金の流れを「見える化」するのが得意です。毎月の収入を把握した上で、家計簿やアプリを利用して支出をざっくりと把握しています。家計簿を細かく記入するよりも、使った金額を把握することが肝心であり、負担が軽く無理なく続けられる方法で支出管理することがポイントです。
お金が貯まる人は、1カ月に使えるお金を予算化し、計画的に支出をコントロールしています。例えば、毎月の固定費(家賃、通信費、保険料など)と、変動費(食費、交際費、美容代など)の予算を明確に決めることで、予算内にとどめることに注意が向き、無駄に出歩いたり、不要なものを大量に買い込んだりすることが減ります。
使うお金と貯めるお金の口座を分ける
収入と支出を同じ口座で行っていると、必要なお金と貯めるお金の区別がつきにくくなります。そのため、お金が貯まる人は、給与が振り込まれるメイン口座とは別に貯蓄用の口座を開設し、使い分けています。貯金口座は基本的に入金するだけとし、メイン口座は毎月の収支が把握しやすいように利用します。積立定期や財形貯蓄を活用することで、給与から天引きされるため、確実に貯蓄できる仕組みが整います。
定期的に固定費を見直し、支出を減らす
効率良く貯蓄をしたいなら、固定費を定期的に見直すことが重要です。固定費は一度見直せば長期的な節約効果が続くため、大きな効果が期待できます。
見直しの対象となるものには、スマートフォンやWi-Fiの料金プランの切り替え、サブスクリプションサービスの定期的な点検(不要なものの解約)、そして保険の保障内容が今の自分に合っているかの見直し などがあります。また、住居費は最も効果が期待できる固定費の一つです。
買い物の前に「お金を払う理由」を考える
貯蓄を成功させる人は、なんとなくお金を使うことを避け、お金を使う際にはその都度「なぜ買うのか」を自問します。これにより、自分がその買い物を通じて「何にお金を払おうとしているのか」が見えてきます。
買う理由を掘り下げ、「本当に金額分の価値があるのか」をじっくり考えることで、無駄遣いがなくなります。例えば、「見栄を張って気持ち良くなる自分」にお金を払っていると判断できる場合、その支出は価値がないと判断され、買わない選択につながります。この習慣を身につけると、無駄な支出が自然と減る一方で、本当に欲しいものは自信を持って購入できるようになり、満足度も高くなります。
日常生活で無駄をなくす「節約」の習慣
お金を貯める人は、日々の生活リズムや環境を整えることで、無意識のうちに無駄な出費を減らしています。
財布と家の中を整理し、持ち物を把握する
お金が貯まる人は、財布の中がいつも整理されています。一日の終わりにレシートを取り出して財布の中を整理するのが、貯め上手な人の夜のルーティンの一つです。お札の向きを揃え、キャッシュカードやクレジットカードを厳選して持ち歩くなど、お金を大切に管理する姿勢が見られます。財布が整理されていると残金の把握がしやすくなり、無駄な出費の防止につながります。
また、家の中もきれいに片付いていることが多く、「お金が貯まる家」にはものが少ないと言われます。家にある物を把握することで、重複買いを防ぎ、本当に必要なものと不要なものを区別できるため、衝動買いがなくなります。
規則正しい生活で衝動的な出費を防ぐ
お金が貯まる人は、自発的に早寝早起きなどの生活リズムを整えています。時間に余裕を持って行動することで、「時間がない」状況による出費を防げます。例えば、朝早く起きることでゆっくり支度ができ、朝食をコンビニで買ったり、出先でお金が足りなくなりコンビニで手数料を払ってお金をおろしたり、雨の予報を知らずにビニール傘を買ったりするなどの余計な出費を避けられます。
また、家族全員が帰宅した後に玄関の靴を揃えるといった、一見お金とは関係ない小さな習慣も、気持ちよく出かけられ、自分が履く靴を探して時間を無駄にすることがないという点で、貯蓄をする人の共通点とされています。
季節品やセールに惑わされず、必要なものだけを買う
お金が貯まる人は、「安い」「割引」「限定」といったセールストークに乗って欲しくないものを買うことはありません。本当に欲しいものや必要なもの以外は徹底的にお金を使わず、「買わずにどう工夫するか?」を考えます。
また、新しいものは次々に現れてすぐに時代遅れになることを理解しているため、流行品に飛びつくこともありません。通信機器であれば、最低限の機能があれば良いという観点から、型落ちの安いものを愛用することに抵抗がなく、洋服も流行よりも動きやすく取り扱いが楽な実用的なものを選びます。
時間や労力を奪う「お得」の追求を避ける
貯蓄上手になるための習慣として、「お得」を求めすぎないことも大切です。数十円でも安いところを探すのに時間をかけるのは、手間や労力に見合う節約効果がない場合があります。忙しい毎日の中で、時間や労力も大切な自分の資産であると捉え、「安かったらラッキー」という軽い気持ちでいる方が、結果的に過剰な買い物をしすぎずに済みます。それよりも「不要なものを買わないこと」を意識するほうが、節約効果が高いとされています。
食費を賢く管理する習慣
食費は生活費の中でも見直し効果が出やすく、効率よく貯蓄を増やせる分野です。
買い物回数を減らすため、週に1~2回まとめ買いする
無駄な出費を減らすためには、買い物の回数を減らすことが効果的です。買い物に行く回数が多いと「ついで買い」をしてしまう可能性が高くなります。
お金が貯まる人は、曜日を決めて週に1〜2回程度のまとめ買いをすることで、ついで買いの機会を減らします。また、食材をまとめ買いすると、腐らせないように使い切ろうという思考が働き、自炊が半強制的に習慣化し、外食やコンビニの利用が減る効果もあります。
冷蔵庫の在庫をチェックし、食材を使い切る
夕飯の後片付けが終わった後などに、冷蔵庫の在庫をチェックするのも貯め上手さんのルーティンです。肉、魚、野菜などの生鮮品の消費期限をチェックし、期限が近いものを翌日の献立に取り入れます。使い忘れないように、夜のうちに冷蔵庫の棚の手前に出しておく工夫も有効です。
冷蔵庫が整理されていないと、重複して食料品を買ってしまったり、消費期限切れで食材を捨ててしまったりする無駄が発生します。冷蔵庫の中をひと目で見渡せるように整理し、ストック品の過不足を把握することで、食費の無駄が省けます。
コスパの良い食事(米食や旬の食材)を選択する
貯め上手さんは、朝食にコスパの良い米食を選択します。菓子パンなどで済ませる方が手軽ですが、米食はパン食に比べるとコストパフォーマンスが優れていると考えられています。
また、食費の節約には、安くて美味しい旬の食材を取り入れることが欠かせません。旬の食材は栄養価が高く、価格も安くなる傾向があるため、毎日の食卓に取り入れることで節約と健康維持を両立できます。
ふるさと納税やPBブランドを活用する
食費の節約策として、ふるさと納税を上手く活用することが挙げられます。ふるさと納税の返礼品として、お米や肉、魚などの生活必需品を選ぶことで、自己負担2,000円で大きな節約効果を得られます。計画的に利用することで、食費の支出を抑えることができます。
さらに、スーパーやコンビニの小売業者が独自に企画・販売するPB(プライベートブランド)商品を活用することも、簡単に節約できる方法です。PBブランドは生産コストや広告宣伝費を抑えているため、安い価格で提供されており、日用品や定番商品を切り替えるのに適しています。
未来の資産を築くための習慣
お金が貯まる人は、現在の節約や貯蓄だけでなく、将来に向けて資産を増やし、守るための行動を習慣化しています。
積極的に資産運用(NISA・iDeCo)を始める
現代において、普通預金に預けていても利息はほとんどつかないため、お金が貯まる人の中には資産運用を積極的に活用している人が多くいます。
特に、新NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)は、税制優遇を受けながら資産を増やすことができ、初心者でも始めやすい長期的な資産形成に役立ちます。これらの制度を活用することで、効率よくお金を増やすことが可能です。
自己成長のための投資は惜しまない
お金が貯まる人は、無駄遣いをしない代わりに、自分のスキルを磨くための投資(自己投資)は惜しみません。自分の人生において何が重要かを見極め、消費と浪費を区別しています。収入は人の器の大きさに比例すると言われており、自己投資をし続けて自身の器を大きくした結果として、資産を築いていると言えるでしょう。
お金がまとまったら有利な口座に預け替える
貯蓄上手な人は、メインバンクにお金を貯めっぱなしにせず、より有利に増やせる場所を見つけて預け替えています。例えば、ネット銀行や地方銀行の中には、大手銀行に比べて金利がやや高めに設定されているところもあります。50万円や100万円などまとまったお金ができたら、金利が高いところに預け替えることで、元手を活かしてさらに増やすことができます。
貯まる習慣のまとめ
お金が貯まる人の共通点は、特別なことではなく、日々の小さな習慣をコツコツと積み重ねている点にあります。先取り貯蓄で自動的な貯まる仕組みを作り、家計管理を通じて自分の支出にメリハリをつけ、本当に価値のあるものにお金を使うという思考法を身につけることが重要です。
貯め上手さんが実践しているこれらの習慣を一つずつマネすることから始めてみてもいいかもしれません。日々の生活を見直し、無理のない範囲で習慣を変えることが、自然とお金が貯まる体質への第一歩となります。

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