海外に滞在していると、日本のApp Storeでしか公開されていない特定のアプリをダウンロードできず、不便を感じることがあります。これは、App Storeのコンテンツが国や地域ごとに法律、ライセンス、開発元の意向によって制限されているためです。
この記事では、海外にいながら日本のApp Storeにアクセスし、アプリを入手するための具体的な手順と注意点について詳しく解説します。
海外から日本のApp Storeにアクセスできない理由
App Storeの表示内容や利用可能なコンテンツは、サインインしているApple IDに紐付けられた国または地域の設定によって決定されます。
もし自身のApple IDが滞在先の国(アメリカやオーストラリアなど)に設定されている場合、日本のApp Storeにのみ公開されているアプリは検索結果に表示されず、リンクを直接開いてもダウンロード不可のメッセージが表示されます。
これは、アプリ開発者が各国の法律や規制に対応するための措置として、配信先を限定していることが主な理由です。
推奨される方法|日本用の新しいApple IDを作成する
最も簡単でトラブルが少ない方法は、現在使っているアカウントとは別に、日本を居住国とした新しいApple IDを新規作成することです。
既存のアカウントの国設定を変更する方法もありますが、多くの制限や手間が伴うため、新しいIDを作成して切り替える運用が推奨されています。
新規作成のメリットとデメリット
新規にApple IDを作成する最大のメリットは、既存のアカウントで契約しているサブスクリプションを解約したり、ストア残高を使い切ったりする必要がない点です。また、サインインとサインアウトを切り替えるだけで、日本と現地のApp Storeを使い分けることが可能になります。
一方で、管理するIDとパスワードが増えることや、アプリのアップデート時にIDの切り替えが必要になる場合があることがデメリットとして挙げられます。
日本用Apple IDの作成手順
- Apple公式サイト(account.apple.com)にアクセスし、新しいアカウントを作成します。
- 現在のApple IDに使用していない別のメールアドレスを用意します。
- 国または地域の設定で、必ず日本を選択します。
- 電話番号は、現在海外で利用している番号でも登録可能です。
- 登録したメールアドレスと電話番号に届く確認コードを入力して、作成を完了させます。
デバイスでのサインインとダウンロード
新しいIDが作成できたら、iPhoneやiPadの「設定」から自分の名前をタップし、「メディアと購入」を選択して現在のアカウントからサインアウトします。
次に、作成した日本用のApple IDでサインインします。
初回ダウンロード時には、日本の住所(実家など)や電話番号の入力、および利用規約への同意が求められますが、無料アプリのダウンロードであれば支払い方法は「なし」を選択して進めることができます。
もう一つの方法|既存のApple IDの国設定を変更する場合
新しいアカウントを作りたくない場合は、既存のApple IDの国設定を直接変更することも可能です。ただし、この方法はいくつかの厳しい条件をクリアする必要があります。
変更前に完了させておくべきこと
既存のIDの国地域を変更するには、以下の準備をすべて済ませる必要があります。
これらの条件を満たしていない場合、設定画面で国を変更しようとしてもエラーが表示されます。また、変更後の国で有効な支払い方法(日本のクレジットカードなど)が必要になる場合もあります。
特定のアプリ利用に欠かせないVPNの役割
日本のApp Storeからアプリをダウンロードできても、それだけでアプリが正常に動作するとは限りません。特にTVerやメルカリ、一部の銀行アプリや動画配信サービスなどは、通信時のIPアドレスをチェックして海外からのアクセスをブロックしています。
このような場合には、VPN(仮想プライベートネットワーク)サービスを利用して、日本のサーバーを経由して接続する必要があります。VPNを使用することで、海外にいながらにして日本国内から通信しているように見せかけることができ、地域制限のかかったアプリの機能を利用できるようになります。
ただし、VPNはあくまでアプリ内のコンテンツ制限を回避するためのものであり、App Store自体の国設定を変更する効果はない点に注意が必要です。
アプリのアップデートと運用の注意点
複数のApple IDを使い分ける場合、アプリのアップデートに関して注意が必要です。iPhoneでは、アプリはそれをダウンロードした際に使用していたApple IDに紐付けられています。そのため、日本のApp Storeから入手したアプリを最新の状態に更新するには、一時的に日本用のApple IDにサインインし直す必要がある場合があります。
また、日本の電話番号を解約して海外へ移住している場合、セキュリティのための2ファクタ認証(確認コード)の受け取りが困難になるケースがあります。
将来的にサインインできなくなるリスクを避けるため、信頼できる電話番号として海外の番号を追加しておくか、アカウントの復旧手段を事前に確認しておくことが重要です。


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