BYD車の購入で活用できる補助金制度の全解説:国のCEV補助金から自治体の上乗せ支援まで

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中国のEVメーカーであるBYD(比亜迪)は、世界的に電気自動車の販売台数を伸ばし、日本市場でも存在感を高めています。BYDの電気自動車は、その価格競争力の高さとバッテリー技術の優位性から注目を集めていますが、購入にあたっては国や地方自治体が提供する補助金制度を活用することで、さらに初期費用を軽減できます。

クリーンエネルギー自動車(CEV)の普及を目的とした補助金制度は、車両価格が高価になりがちなEVの導入を後押しする重要な仕組みです。本記事では、BYD車に適用される国のCEV補助金、自治体の上乗せ補助金、そして申請の際の重要なポイントについて詳しく解説します。

CEV補助金の基本枠組み

クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)とは

CEV補助金は、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)などのクリーンエネルギー自動車の普及拡大を支援するために、経済産業省の支援を受け、一般社団法人次世代自動車振興センターが運営する国の補助金制度です。この制度の目的は、運輸部門からの温室効果ガス排出を削減し、2050年のカーボンニュートラル実現を後押しすることにあります。

補助対象となる車両は、EV、PHEV、FCVのほか、超小型モビリティやミニカーなども含まれます。また、EVと合わせて、外部給電器やV2H充放電設備の購入費・工事費の一部も補助対象となる場合があります。

補助対象者と基本的な要件

CEV補助金の対象者は、対象車を購入する個人、法人・地方公共団体、リース会社です。ただし、以下の要件を満たす必要があります。

  • 新車新規登録(新車新規検査届出)された自家用の車両に限られます。事業用車両は原則として対象外です。
  • 補助対象となるのは、原則として「初度登録車両(新車)」のみであり、中古車や登録済未使用車(新古車)は対象外となります。
  • 補助金を利用して購入した車両には、原則として4年間(軽・小型二輪などは3年間)の保有義務が課されます。この期間内に売却や譲渡などを行う場合は、事前に承認を得て、補助金の一部または全部を返納する必要があります。
  • 国の補助金と地方公共団体による補助金制度は重複して申請できますが、国が実施する他の補助金との重複申請はできません。

リース契約の場合も補助金申請は可能ですが、令和6年度のCEV補助金からは、所有者であるリース会社ではなく、車両を使用する側(リース使用者)が申請を行う形に変更されています。

BYD主要車種のCEV補助金額とその他の優遇

BYDの電気自動車は、現在日本市場で販売されているモデルのほとんどがCEV補助金の対象となっています。

BYD各モデルのCEV補助金額(令和6年度補正予算分)

BYDの主要EV車種に対する国のCEV補助金(令和6年度補正予算分、車両登録日:令和7年4月1日以降)は以下の通りです。

  • BYD ATTO 3: 35万円
  • BYD DOLPHIN(全グレード): 35万円
  • BYD SEAL(全グレード): 45万円

(注記: 上記は令和6年度補正予算(2025年度)の情報に基づき、車両登録日が2025年4月1日以降の場合の補助金額の一例です。補助金額は、メーカーの取り組みなどの評価に応じて変動します。)

BYD Auto Japanによる独自の補助金キャンペーン

BYD Auto Japanは、国のCEV補助金とは別に、独自のキャンペーンとして「BYD補助金」(値引き)を実施することがあります。例えば、日本法人創業3周年を記念した『Go!Go!Go!EVキャンペーン』(2025年9月1日~9月30日)では、対象となる電気自動車に対して50万円から最大117万円までの補助(値引き)が提供されました。

このキャンペーンでは、BYD SEAL AWDが最大117万円、BYD SEALが86万円、BYD ATTO 3が70万円、BYD DOLPHIN Long Rangeが64万円、BYD DOLPHIN Baselineが50万円の値引きが適用されました。BYDの試算によれば、この値引きと国のCEV補助金(35万円)、地方自治体の補助金(東京都千代田区の場合最大65万円)を組み合わせることで、最も低価格の「BYD DOLPHIN Baseline」の実質価格が149.2万円になるという試算例も示されました(オプション除く)。

税制優遇措置

BYDのEVは、CEV補助金と合わせて以下の税制優遇措置の対象となります。これにより、約40万円程度の優遇措置を受けることが可能となります。

  • エコカー減税: 電気自動車は自動車重量税が100%減免されます(初回車検時も適用)。
  • グリーン化特例: 電気自動車は自動車税(翌年度分)が概ね75%減税されます。
  • 環境性能割: 電気自動車は非課税(0%)となります。

愛知県では、電気自動車を対象とした独自の自動車税課税免除制度があり、最大5年間免税となる優遇措置があります。

自治体によるBYD車への上乗せ補助金

国のCEV補助金と地方自治体の補助金は併用が可能です。自治体によっては、国の補助金に加えて独自の支援策を提供しており、購入費用を大幅に軽減できる場合があります。

東京都のZEV補助金

東京都では、ZEV(ゼロエミッションビークル)の普及を促進するため、「ZEV補助金」を実施しています。令和7年度の個人向けZEV補助金におけるBYD車の基本となる補助金額は、以下の通りです。

  • BYD Auto Japan株式会社: 給電機能ありで45万円、給電機能なしで35万円。

BYD ATTO 3、DOLPHIN、SEALはいずれも外部給電機能を有しているため、給電機能ありの45万円が適用されます。

さらに東京都では、V2H充放電設備の導入(10万円)や、再生可能エネルギー100%電力契約(15万円)または太陽光発電設備の設置(EVの場合30万円)などによる上乗せ補助額も設定されており、これらを活用することで総額の補助金はさらに増額されます。

その他の地方自治体の補助金例

愛知県では、中小企業や個人事業主がBYD車を導入する場合、40万円の補助金(先進環境対応自動車 導入促進費補助金)が設定されています(2024年度)。

また、名古屋市では、名古屋市内に住む個人がゼロエミッション車を購入する際に、最大10万円の補助金(ゼロエミッション車の購入補助金)があります(2024年度)。

その他にも、埼玉県、石川県、富山県、福井県、滋賀県、徳島県など、多くの都道府県や市町村が独自の補助金制度を設けています。補助金額や対象条件は自治体によって異なるため、お住まいの自治体の最新情報を確認することが重要です。

CEV補助金制度の背景とBYDの評価

補助額算定における評価基準の複雑化

2024年度以降、CEV補助金の補助額の算定方法が大幅に見直されました。従来の車両性能(航続距離、電費性能、外部給電機能の有無)に加え、「自動車分野のGX実現に必要な価値」に基づき、自動車メーカー側の取り組みが総合的に評価されるようになりました。

主な評価項目には以下のものが含まれます。

  1. 充電インフラ整備への貢献度(急速充電器の整備台数など)
  2. 修理メンテナンスのアフターサービス体制の充実度合い
  3. バッテリーのリユース・リサイクルへの取り組み
  4. 災害時の地域連携協定

これらの評価項目は総合的に200点満点で採点され、130点以上を獲得した場合にEVの満額(基本85万円)が獲得可能となります。

中国メーカーへの影響

この新たな評価基準は、充電インフラの整備やアフターサービス体制が確立されている日系メーカーやテスラに有利に働く傾向があり、日本市場に本格参入して間もないBYDのような中・韓メーカーにとっては、補助金が大幅に減額される要因となっています。

例えば、BYD SEALの補助金額が45万円であるのに対し、日産サクラの補助金は55万円であり、軽EVであるサクラよりもSEALの補助金額が低く設定されている例があります。これは、EV補助金が日本のEV産業育成を目的としているという批判的な意見がある一方で、メーカーのインフラ整備への貢献度などが評価基準に組み込まれた結果であると考えられます。

補助金申請時の重要な注意点

申請のタイミングと期限

CEV補助金は、車両の新規登録・届出と全額支払いが完了した後で申請する「事後申請」が原則です。申請期限は車両の新規登録・届出日から原則1ヶ月以内(翌月の前日までの消印有効)とされており、非常に短いため注意が必要です。

また、国と自治体の補助金はいずれも予算の範囲内で執行されるため、「先着順」で受付が終了します。予算が消化され次第、期間内であっても早期に受付が締め切られる可能性があるため、購入を決定したら速やかに申請手続きを進めることが、補助金を確実に受給するための鍵となります。

申請方法とリース契約時の変更点

申請手続きは、オンライン(Webシステム)または郵送(紙申請)のいずれかで行うことができ、オンライン申請が効率的で提出書類の不備を防ぎやすいとして推奨されています。

リース契約でBYD車を導入する場合、令和6年度の制度変更により、補助金の申請者および交付先が車両の使用者(借りる側)となりました。以前は所有者であるリース会社が申請を行っていましたが、この変更により、使用者自身が申請を行う必要があります。

財産処分制限期間の遵守

補助金を受けて購入したBYD車には、原則4年間の保有義務(財産処分制限期間)があります。この期間内に、事故や災害といったやむを得ない事情を除き、承認なく売却、廃車、譲渡、用途変更などを行った場合、補助金の一部または全部の返還を求められることになります。

このようなリスクを回避するためには、購入時にディーラーやリース会社と十分に相談し、最新かつ正確な補助金情報を確認した上で、申請を行うことが推奨されます。

BYD車は、国のCEV補助金や自治体の上乗せ補助金、そして税制優遇措置を組み合わせることで、初期費用を大きく軽減できるクリーンエネルギー自動車です。補助金制度を賢く利用することは、価格面で優位性を持つBYD車をさらに手軽に導入し、持続可能なモビリティへの移行を加速させるための有効な手段となるでしょう。

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